和三盆リングサブレ焼成店長の伊東です。
ポッシュ・ドゥ・レーヴ芦屋では焼き菓子の賞味期限を大切にしています。
一般的なイメージと、ポッシュ・ドゥ・レーヴ芦屋独自の考え方をご紹介します。

焼き菓子の賞味期限って?一般的には・・

『賞味期限』とは?

食品をおいしく食べられる期限の目安で、
「期限内に品質を落とさず美味しく食べられる為に表示しているもの」を言います。

洋菓子店などで一般的な賞味期限設定は?

お店にもよりますが、1カ月~数カ月程度の賞味期限設定が多いようです。

ポッシュ・ドゥ・レーヴの考え方

焼き菓子こそ鮮度を大切に!最長2週間に設定。

シェフが以前フランスに行った時に、何の変哲もない見た目は普通の
バターサブレを買ったそうです。それが、

『美味しい!バターの風味もすごい!』

とても感動したそうです。
これは、良い素材、基本に忠実に作るという事はもちろんの事、やはり
『焼き菓子の鮮度』の影響が大きいと思ったそうです。

日本では、贈答文化がありますので、

『焼き菓子は長期間日持ちがするもの』 というイメージが作られてきました。

しかし本来焼き菓子も生菓子と同じように、「鮮度」を大切にするのが原点
というか、大切な事だと思うのです。

ポッシュ・ドゥ・レーヴの焼き菓子は日持ちしません

シェフ自身が、フランスで感動した想い。
でも、『日本では単なるバターサブレで感動した事ないな・・』

『だったら自分が感じた気持ちを、自分のお店でお客様に届けたい!』

そう思い、あえて短い賞味期限を設定することにしました。

しかし、うまくいきません。。

経営上の問題『焼き菓子の廃棄率(ロス率)』

店舗運営において、ロス率の低減というのは重要な指標です。

しかし、
焼き菓子の賞味期限を最長で2週間に設定するという事は、、、

『売れない場合は、廃棄となるリスクは店側が全てかぶるという事。』

『一度に大量に仕込み・焼成をするという効率的な製造は出来ない。』

とにかく、非効率で、かつ生産性低く、かつロス率が上がってしまい
経営を圧迫するリスクと隣り合わせです。

開店当初、本当に本当に売れません。。。見事なまでに。。。
ロス率はうなぎ登りです。。

一般的なイメージからくる誤解

「焼き菓子は日持ちがするもの」というイメージをお持ちのお客様からすると、

「賞味期限がたったの10日しかない。
こんな古い焼き菓子を売りつけるとは何事だ!」

となり、お叱りを頂く事もしばしばありました。

出来立ての賞味期限が短い、鮮度のある焼き菓子を提供する事はお客様にとって
間違いなく良い事です。

良い事をしているはずなのに、お客様からお叱りを頂いてしまう。。

これは本当につらいです。

理想をつらぬくべきか?

結局苦しくても、理想を貫くと共に、賞味期限については
繰り返し説明をし続けました。

「理想を貫かないとポッシュ・ドゥ・レーヴ芦屋をやる意味がない」

そうしているうちに、少しずつご利用頂けるお客様が増えたり、

「おいしかった!」

喜んで頂ける声を多く頂けるようになってきました。

「自分達は間違っていない。」

ずっと自分に言い聞かせてきた事がようやく、実感できるようになってきました。


『お店側がリスクを取り、賞味期限が短い焼き菓子を提供する事』

『焼き菓子の賞味期限は短いからこそ安心出来る』


将来いつかこのことが世の中の「一般的なイメージ」になればいいなと
思っています。

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